森本真治議員
 参院本会議で29日、2017年度決算等について国民民主党・新緑風会を代表して森本真治議員が質問に立った。  
 森本議員は冒頭、今回発覚した毎月勤労統計の不正調査問題に加えて、56ある政府の基幹統計で28日も新たな不正が判明し、現在23統計、計34件にのぼっていると指摘し、「国際社会での信用を失墜しかねない不祥事であり、この国を支える屋台骨を揺るがす異常事態だ」と深い憂慮を示した。  
 こうした不適切な統計に基づいて政府が各種の政策や事業を実施し、国会でも適切でない数値や証拠に基づき審査を行わざるを得ない状況に関して、「今、議題となっている2017年度決算の審査や、来年度予算等の審査にも、重大な影響を与える」と指摘。統計全般に異常な事態がまん延している中で決算審査に入ることについて安倍総理に疑問を呈した。総理は「国会で審議された内容を早期に行政運営に反映していくため」審議入りが必要だと答弁した。  
 毎月勤労統計の不正問題については、厚生労働省がなぜこのようなことをしたのか、その動機について未だ解明されていないことから、「アベノミクスの数字をよりよく見せるために、このような偽装を行ったのではないかとの疑念もぬぐいきれない」と問題視。なぜこのような行為に及んだのかその動機について根本厚生労働大臣を追及したところ、「当時の担当者によれば、復元処理を行うようシステム改修したのは、サンプリングの見直しが上手く機能するようにしたため」と述べるにとどめ、動機を明らかにすることはなかった。  
 その他にも森本議員は、統計不正問題での特別監察委員会調査への厚労省幹部同席問題、アベノミクスの検証、西日本豪雨対策、土砂災害対策、総合防災情報システム、「ヒバクシャ国際署名」と核兵器禁止条約の締結――等の課題を取り上げ、安倍総理らの認識をただした。