参院本会議で代表質問に立つ榛葉賀津也参院幹事長

 榛葉賀津也参院幹事長は31日午前、参院本会議で国民民主党・新緑風会を代表して政府4演説に対する代表質問に登壇し、安倍総理と関係閣僚らに質問した。

【毎月勤労統計問題】

 榛葉参院幹事長は「基幹統計が信頼できないということは、それを前提にした景気や物価動向の分析、並びに政策判断への信頼が根底から覆されることであり、日本国そのものの信頼を揺るがす極めて深刻な問題だ」と政府の危機感の欠如とスピード感のない対応を批判した。

 安倍総理と根本厚生労働大臣に質問した内容は次のとおり。(1)必要な手続きを経ずに不正に抽出調査に変えた動機と2018年分の調査から復元加工を施した理由(2)国民を裏切る不適切な統計調査の実態と役所のずさんな対応への反省と見解(3)賃金の伸び率を高く見せるために統計を不正調整したのではとの疑義について(4)問題の全容が解明途上の段階で拙速に職員を処分した理由如何(5)第三者調査委員会の設置と、抜本的な再調査について(6)データ紛失等で補正できない延べ1000万人以上の当事者への追加給付の方法とその期限について(7)労働保険特別会計等から関連経費を支出することの是非について――。

【消費税と自動車関連諸税について】

 榛葉参院幹事長は「2025年問題」に伴う超少子高齢化時代の到来と、財政再建の現状を鑑みれば、「社会保障と税の一体改革」は待ったなしだとし、国民民主党は低所得者対策として、直接に該当する方々の税を控除したり、現金を渡したりする、いわゆる「給付付き税額控除」が公平で分かりやすく、最も効果的だと主張した。また、自動車関連諸税については自動車重量税の「当分の間税率」は廃止をし、自動車重量税の国分の本則税率は地方税化し、それぞれの税目を統廃合し、「新自動車税」「新軽自動車税」に集約することで、ユーザーの負担軽減、地方財源の確保、簡素化を図ることを提案した。

 安倍総理、麻生財務大臣、石田総務大臣に質問した内容は次ぎのとおり。(1)国民所得とアベノミクスの評価に疑義がある中での消費税を引き上げの是非如何(2)プレミアム商品券やポイント還元等の問題点と「給付付き税額控除」の導入について(3)消費者、事業者、会計士や税理士、子供たち等、多くの国民に混乱を招く軽減税率を見直すべきではないか(4)自動車関連諸税の公平性、中立性、簡素化について(5)「当分の間税率」の廃止と地方税化について。また、各税目を「新自動車税」「新軽自動車税」に集約し、ユーザー負担軽減、地方財源の確保、簡素化を図ることについて。

【外交】

 榛葉参院幹事長は現在の外交情勢について「トランプ米国大統領の常識にとらわれない言動に、世界が一喜一憂している。欧州や日豪韓といった同盟国との関係ですら、自国の損得で割り切るトランプ大統領のやり方は、今後も変わらないと思う。それどころか、来年11月3日の大統領選挙に向けて、その傾向はさらに加速することが予想される。米国は9・11同時多発テロ以降、過去に経験のない20年間という長期にわたって中東やアフガニスタンで戦争をしており、国内が疲弊している事をわれわれは認識すべきだ。トランプ大統領がわれわれに気付かせてくれたこと、それは『従来の同盟のあり方が当たり前の時代は終わろうとしている』ということではないか」と政府の外交姿勢に問題提起した。

 安倍総理、河野外務大臣に質問した内容は次のとおり。(1)日米同盟のあり方について(2)日韓関係にあり方について(3)北方領土は「わが国固有の領土」であるという認識如何。「4島の帰属問題の解決」後の平和条約締結という従来の政府方針の一貫性如何(4)ヤルタ協定、及び日ソ共同宣言での領土の「引き渡し」という言葉の意味について(5)歯舞・色丹「2島決着」の意味と、国民に対する説明責任如何(6)平和条約交渉に伴う両国の「国境線の画定」について――。

【災害対策と鉄道の安全基盤の確率について】

 榛葉参院幹事長は大規模自然災害による鉄道の被害が全国の路線に広範囲に及び長期間の運休も余儀なくされたにもかかわらず、公共事業費における鉄道関係予算の占める割合が全体の1.7%しかない予算編成を問題視し、安倍総理に安全基盤の確立のための予算措置を訴えた。

【結びに】

 四方を海に囲まれた風光明媚なわが国は資源に恵まれず、エネルギー自給率は7%、食糧自給率は38%という低い水準だ。にもかかわらず、米国、中国に次ぐ世界第3位の経済大国であるのは、エネルギーの安定的な供給を基盤に「ものづくり日本」を現場で支えてきたすべての働く人たちの努力の賜物に他ならない。私たち国民民主党は、真面目に働く人たちのための政策を、国のど真ん中に据えた政治を実現したい。

 「集めた税金を使う側ではなく、働いて税金を払う側のための政治」を具現化するために、国民民主党は「つくろう、新しい答え。」の旗の下、全国の仲間とともに前進していきたい。

 ※質問の詳細は下記の読み上げ原稿をご参照ください。
PDF「参院本会議榛葉賀津也議員代表質問予定稿」参院本会議榛葉賀津也議員代表質問予定稿