田村まみ議員

 参院本会議で3日、公益通報者保護法の一部を改正する法律案について趣旨説明が行われ、国民民主党の田村まみ議員が共同会派を代表して質問に立ち、内部通報体制整備のあり方、通報を理由とする企業の不利益取扱いなどについて消費者担当相にただした。

 公益通報者保護法は2006年4月、内部告発した労働者を保護することで、企業不祥事による国民への被害拡大を防ぐことを目的として施行された。ところが、通報者が企業から不利益処分を受けたりするなどの事例が後を絶たないことから、今回の改正で内部通報体制整備の義務化、内部通報対応に従事する者への罰則付き守秘義務の導入、公益通報者の範囲拡大、報道機関等への通報にかかる保護要件の緩和などを行うというもの。
 新たに導入される内部通報体制整備の義務付けに関して、300人以下の中小事業者が努力義務とされたことについて、「人手不足等の理由から形骸化し、実際には機能しないことが懸念される」と指摘。実効性を高めるために中小事業者に特化したガイドラインの作成を検討しているかただした。
 今回の改正で通報を理由とする企業による通報者への不利益取扱いに対して行政措置が導入されなかった点に関して、「内部通報体制整備義務の実効性確保のための、より強力な措置、命令制度及び命令違反に対する刑事罰を設けるなど、制裁措置を強化すべき」と提案した。
 最後に田村議員は、自らが働いてきた流通業の最前線の労働者は、「消費者の声によって知り得た自らの会社の異変やその予兆は真摯に受け止めている。しかし、職場での是正に努めるとき、会社から不当な扱いを受けるようであれば、その消費者の声も届かない。万人が公益に資する行動ができるための答弁を求める」と述べ、質問を終えた。

PDF「公益通報者保護法改正案質問(予定稿)」公益通報者保護法改正案質問(予定稿)