農林水産省の動物検疫所羽田空港支所を視察

 党豚コレラ対策本部(平野博文本部長)は8日、農林水産省の動物検疫所羽田空港支所を訪問し、検疫探知犬による探知活動、検疫検査等を視察し、伊藤和夫・農林水産省動物検疫所長から業務概要や課題について説明を受けた。

 同本部は、今まで5府県で発生している豚コレラのさらなる感染の防止、及び中国・ベトナム・モンゴルで発生し、致死率が高く予防ワクチンがないアフリカ豚コレラの侵入を阻止するための水際対策として、空港・港湾での検疫検査の強化を求めてきた。今回は水際対策の取り組み状況を調査するため視察を行った。

 一行は、国際線ターミナルの手荷物受取所で、中国から到着した便の旅客に検疫職員が中国語通訳を交え旅行者に畜産物を携帯していないかを尋ねる口頭質問、検疫探知犬が旅行者のトランク等を嗅いで回っている様子を視察した。探知犬が肉製品が入っている疑いのある荷物をかぎ分け、検疫官が荷物を調べたところ、実際に違法な肉製品が見つかる活躍ぶりを見ることができた。

検疫探知犬の活躍と課題について話を聞く玉木代表ら

検疫探知犬の活躍と課題について話を聞く玉木代表ら

 検疫探知犬は全国に33頭おり、羽田空港では5頭が活動している。嗅覚を維持できる時間に限りがあり休憩が必要なこと、犬とペアになっているハンドラー(探知犬を扱う職員)の勤務時間の制約があり、羽田に到着するすべての便の荷物を探知することはできず、アフリカ豚コレラが発生している国など、優先順位をつけながら活動している。検疫探知犬とハンドラーを増やすとともに、国内での探知犬の養成、探知活動の効率を上げることが今後の課題だ。

 また、検査を受けていない肉製品の輸入禁止について、日本語のほか中国語、ベトナム語によるポスターや電子掲示板の活用、動物検疫に関する入国する旅行者が靴底を消毒するマットの活用状況も視察した。

 視察を終え、玉木雄一郎代表は、「探知犬や検疫所職員が非常によく頑張っているのが分かったが、人手も犬も足りない。新設された国際観光旅客税は現時点で動物検疫費用に充てられていないが、検疫体制強化のための財源として検討すべきではないか」と語った。また、海外から禁止されている肉製品の持ち込みを防止するには、「違反者には罰金が課されることを明示し、周知することで効果が期待できる」とした。

 視察には玉木代表のほか古本伸一郎副本部長、近藤和也事務局長、徳永エリ事務局長代理、篠原孝衆議院議員、関健一郎事務局次長が参加した。