豚コレラ対策本部・農林水産部会合同会議

 国民民主党など共同会派は21日、豚コレラ対策本部と農林水産部会の合同会議を開催。アフリカ豚コレラ(ASF)の急速かつ広範囲なまん延を防止するため、予防的殺処分を行うことができる議員立法「家畜伝染病予防法改正案」について審議し提案することを確認した。各党の手続きを経て、早急に衆院農林水産委員長提案により本改正案の可決・成立を目指す。

 ASFは日本で感染が確認されている豚コレラ(CSF)とは異なり、有効なワクチンが存在しない感染・伝播力が強いウイルスで、豚やイノシシに感染する。アフリカ、欧州の他、中国、韓国、香港など日本の周辺国にも感染が広がっており、水際対策が急務となっている。ところが現行法では、家畜を予防的に殺処分できる対象が口蹄疫(こうていえき)のみに限られていたため、共同会派は昨年12月、ASFを対象に追加することを含めた家畜伝染病予防法の改正を江藤農水大臣に申し入れていた。

 本改正案は、予防的殺処分に関してASFに家畜が感染した場合だけでなく、イノシシなどの野生動物の感染が確認された際にも、その死骸があった地域周辺の当該動物の生息状況やASFの拡散状況、家畜の飼養衛生管理状況を考慮しつつ、知事と農水省の審議会の意見を聞いて実施することができるとしている。

 また、法律上の名称について、「豚コレラ」を「豚熱」(ぶたねつ)に、「アフリカ豚コレラ」を「アフリカ豚熱」(あふりかぶたねつ)に改める等の措置も講じる。ASF拡散防止のための飼養衛生基準の遵守に関する勧告・命令や、野生動物のASF感染による家畜の移動制限、消毒、通行の制限等の措置も盛り込んだ。