斉木武志議員
 衆院本会議で16日、「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案」(中小企業強靱化法案)の質疑が行われ、国民民主党の斉木武志議員が世耕経済産業大臣らに質問した。
 本法案は、自然災害の頻発化や経営者の高齢化によって、多くの中小企業が事業活動の継続が危ぶまれている状況を踏まえ、事業活動の継続に資するため、中小企業の災害対応力を高めるとともに、円滑な事業承継を促進するために必要な措置を講じるというもの。
 主要な対策としては、(1)事業継続力強化に関する「基本方針」の策定(2)中小企業の事業継続力強化に関する計画を認定し、支援措置を講ずる(3)商工会・商工会議所による小規模事業者の事業継続力強化の支援(4)中小企業の経営の承継の円滑化――等からなる。
 本法案について斉木議員は、防災・減災設備への投資に対して特別償却20%の税制優遇措置が適用されるなどの点について、「中小企業にとって設備の導入が直接の増益に結び付かない点や、また必要な計画認定の負担などを考慮すると、インセンティブとして十分と言えるのか」と世耕大臣にただした。
 世耕大臣は、「計画認定を受けた中小企業に対して、十分な水準の特別償却制度の創設、日本政策金融公庫による低利融資の深掘り、中小企業予算による加点措置を講じる。これらのインセンティブのみならず、認定制度に関する普及・啓発、ワークショップの開催、専門家派遣による計画策定支援を併せて実施する。こうした一連の取り組みにより中小企業の防災・減災対策が一層進んでいく」と答弁した。
 そのほか斉木議員は、安倍政権が万博大臣の設置を検討していることに関して、内閣法が閣僚数の上限を14人と規定しているにもかかわらず、20人目の大臣を置こうとしていることに対して、「安易にポストを増やすよりも、一番理解が深い人物を当てるのが適材適所」ではないかと疑問を呈した。
 本年予定されている消費税増税に関しては、その徴税の実務を担う中小企業の立場を踏まえ、増税に伴う軽減税率とポイント還元制度の課題として「店舗側の手間の増大、国民のレジ待ちによる時間のロスをどう考えるか?そもそもわかりやすく簡素であることを旨とする税の大原則に逆行する制度・政策ではないか」などと問題提起した。
 政府が目玉政策の1つと位置付けているポイント還元制度については、地元福井県のJR駅が交通系ICカードに対応できるようになったのが半年前だったなどの事例を挙げ、「キャッシュレスが普及している都市住民が優遇され、地方はそもそも対象となる人が少なく、使えるお店も少ないためもらえる還元額も低い、地方住民冷遇の政策になってしまわないか」と同制度の問題点を指摘した。