法案を提出する階議員、源馬議員
司法試験法等改正案

 国民民主党は17日、「司法試験法等改正案」を社会保障を立て直す国民会議と共同で衆院に提出した。国民民主党からは、階猛衆院議員、源馬謙太郎衆院議員が衆院事務総長へ法案を手交した。

 提出後の記者会見で階議員は、「司法試験合格者は受験者の3分の1程度であり、以前と比べて受かりやすくなっている実態がある。それにもかかわらず受験者が減っているのは、受験資格というハードルがあるためだと考えている。現在の受験資格は、法科大学院を修了するか、予備試験をパスするかとなっている」と述べ、法案の内容について、「(1)受験資格の制限を廃止する(2)実務家として不可欠な口頭での説得力ある説明能力をみるため、科目に口述試験を復活させる等の科目変更を行う(3)法科大学院の役割を変更し、司法試験向けの教育のほか、司法修習向けの教育、弁護士になった後のリカレント教育を実施する(4)司法修習の期間を1年2か月として充実した研修を行い、4月に就職時期をずらすことで組織内弁護士などに採用されやすくする」ものであると説明した。

 本法案は政府から提出されている「法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案」への対案であることから、政府案への評価について問われた階議員は、「政府案は何のために法科大学院を作ったのかを見失っている内容ではないか。試験さえ通れば良いという以前の制度から、プロセスで法曹を養成する制度に変えることが法科大学院制度創設の目的であった。しかし、政府案では大学を3年で終わりにし、4年目から法科大学院に行けるようにして最短では法科大学院に1年だけ通えば司法試験を受けられるようにするもの。それでは大学1年から大学受験をすることと変わりなく、4年間の法学部の教育を充実させればよいのであって、法科大学院の自己否定ではないかと思う。法曹養成制度を守ることよりも、法科大学院の入学者を増やして法科大学院を守るということに目的があるとしか思えない、間違った法案であると思う」と答えた。
 法案は、政府案とともに衆議院文部科学委員会で審議される見込み。

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