あいさつする古川新調査会長

 国民民主党の憲法調査会の会合が29日、国会内で開かれた。調査会の新たな役員構成を確認するとともに、国民民主党がすでに国会に提出している国民投票法改正案について、あらためて衆院法制局からヒアリングを行った。

 新しく調査会長に就任した古川元久衆院議員は冒頭、「本日は、新しい体制になって第1回目の会合となる。わが党の考え方、これまで何を進めてきたのか皆さんとともに確認をし、ここから新たなスタートを切っていきたい」とあいさつした。

 古川調査会長は「わが党としては9条をはじめ、安倍政権が掲げるいくつかの改正案には反対である。しかし憲法の議論については積極的に行っていく。そういうスタンスで議論を行っていきたい」と述べた上で、今後の議論のテーマとして「例えば解散権の制約問題もある。また、国会の召集について、きちんと憲法に基づいて国会の召集を要求しても、いつ応じるかは内閣に任されている」などの論点を挙げた。

 さらに、「今日本が抱える最大の課題は急速な人口減少と地方の疲弊だ」との問題意識を示したうえで、「明治以来の中央集権の統治構造が一極集中、人口の極度の集中を招いており、それが地域の衰退につながっているのではないか」、「日本が直面する急速な人口減少と地域の疲弊に対応していくために憲法はどうあるべきか。こういう幅広い議論を行っていきたい」と述べた。

 また参院選挙区の「合区」について、「地域の声を国にきちんと伝えていくという意味で、参院で『合区』が進んでいく状況は、やはり問題がある」との認識を示すとともに、「ただこれを自民党の改正案のようにただそれぞれの行政区域ごとに割り振るという、ご都合主義のような憲法改正は、到底私たちは納得できない」「やはり地域の声をしっかりということであれば、今の衆参の役割を考え直す中で、参院は米国の上院のように地域の代表であるということを明確に位置づける。人口比例ではない形で地域の代表を選んでいくなど、幅広く今の憲法を議論していきたい」と述べた。

 最後に「すでにわれわれは国民投票法の改正案を提案している。まずは手続法である国民投票法について、私たちの提案をしっかり議論してもらうことが大事だ。」と、あいさつを締めくくった。

 意見交換では、今後の議論の俎上(そじょう)に上る可能性のあるテーマとして、内閣総理大臣の解散権、憲法99条(憲法尊重擁護義務)、食料安全保障等を挙げる意見が出された。

PDF「憲法調査会 役員構成」憲法調査会 役員構成

PDF「国民民主党・基本政策(抜粋)」国民民主党・基本政策(抜粋)

PDF「国民民主党・国民投票法改正案関連資料」国民民主党・国民投票法改正案関連資料