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 12日、玉木雄一郎代表は長野県松本市を訪れ、野党統一候補で国民民主党公認の羽田雄一郎(はた・ゆういちろう)候補の個人演説会で応援演説を行った。羽田候補は「2000万円貯めるより、1票を投じて政治を変えるほうが簡単だ」という支援者からの言葉を紹介し、積極的に投票所へ足を運ぶよう身近な人に呼び掛け続けてほしいと訴えた。

 玉木代表は冒頭、テレビ番組等での党首討論において発言時間を守らない自民党の安倍総裁に苦言を呈した際、安倍総裁が「玉木さんももっと喋ればいいじゃない」と述べたことを紹介。「「赤信号、みんなで渡れば怖くない」こういう言葉がある。それを国のトップが率先してやっている」「悪いことに従わないことが悪いような感じ。これは危険なことだ」と、政治に対する根本的なモラルが失われつつある現状への危機感を訴えた。「誤った方向に行こうとした時に、良心を持った誰かがおかしいといった時に、寄ってたかって正しいことをいう人を叩くような雰囲気。これが社会にまん延したときに必ず社会や国民は不幸になる。今その瀬戸際にあるのではないか。震えるような危機感を今国会で感じている。だからもう一度まともな民主主義を、正直で、偽らない政治を皆さんの力で取り戻そう」と、嘘や偽りやごまかしが横行する現状を今回の参院選で変えようと呼び掛けた。

 また経済政策についても言及し、今年の秋に予定されている消費税増税について、「税はちょっと余裕のある人からもらって、苦しい人に配る、再分配。今回やろうとしている消費税増税は、みんなから取って、持ってる人に配るものだ」とし、消費に冷や水を浴びせるような今の時期の消費増税と、富裕層が多くの恩恵を受ける軽減税率の導入は適切ではないとの認識を示した。

集まった有権者に現在の政治の在り方への危機感を訴える玉木代表

集まった有権者に現在の政治の在り方への危機感を訴える玉木代表

 羽田雄一郎候補は集まった支援者に対し、「みなさんの1票でしか政治は変えられない。国民主権の国家の主役は、壇上に立ってる私でも国会議員でも安倍総理でもない。主役はみなさんおひとりおひとりだ」「参議院だけでもまずは3分の2を割らせ、議論ができる参議院にしよう」と呼び掛けた。

 今年の通常国会で「委員の3分の1以上から要求があったときは、委員長は委員会を開かなければならない」と定めた参議院規則38条2項に基づく予算委員会や農水委員会の開会要求を、過半数を持つ与党が実質的に無視したことなど、圧倒的多数を占める与党による横暴が続いていることや、安倍政権下で進められている「地方創生」の実態や幼児教育の無償化など、具体的な国政の現状と問題点を報告。「この選挙で与党を信任してしまったらこういう政治が続いてしまう」と、警鐘を鳴らした。

 2013(平成25)年に行われた参議院選挙の長野県選挙区の投票率は62.86%。羽田候補は「2000万円貯めるより、1票を投じて政治を変えるほうが簡単だ」という有権者からの言葉を紹介し、積極的に投票所へ足を運ぶよう身近な人に呼び掛け続けてほしいと訴えた。

 個人演説会には下条みつ衆院議員ら、羽田候補を支援する国会議員、地方議員が駆け付けて応援演説を行った。

集まった多くの援者に、より一層の支援を呼び掛ける羽田雄一郎候補

集まった多くの援者に、より一層の支援を呼び掛ける羽田雄一郎候補