健康保険組合連合会が22日、「現役世代を守りたい!国民皆保険を支えるために」と題して東京都内で開いた今年度の全国大会で、羽田雄一郎参院議員(国民民主党・健保連政策懇談小委員会代表世話人)が党を代表してあいさつした。健康保険組合連合会は一定規模以上の社員(被保険者)のいる企業が設立する健康保険組合の連合組織。全国1389(2018年4月1日現在)の健康保険組合で構成され、被保険者とその家族をあわせ約3000万人が加入している。
健保連大会スローガンは(1)皆保険の維持に向け、まずは高齢者の原則2割負担の実現(2)必要な公費の拡充。現役世代の負担増に歯止めを(3)保険給付範囲の見直しによる医療費の適正化(4)人生100年時代。健康寿命延伸に資する保険事業の推進――の4点。
羽田参院議員はあいさつで、昨年の健保連大会後に国民皆保険存続の危機感を共有し「国民民主党・健保連政策懇談小委員会」を発足させ、立憲民主党や社会保障を立て直す国民会議とも合同で勉強会を行ってきたことを報告。今月8日に健康保険組合連合会、全国健康保険協会、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会の被用者保険関係5団体が医療保険制度改革に向けた共同意見書を政府に提出したことについて、羽田議員は「被用者保険団体の危機感の表れであり、われわれも十分に共有できるもの。それに比べ政府の危機感のなさはいかがなものか。改革のスピードも遅い」と政府の姿勢に懸念を表明した。
また、政府が来年6月の骨太方針2020で社会保障の重点政策を取りまとめるとしていることについて、「ここが改革の正念場、われわれもしっかりと議論し対案を持って改革に取り組み、来年の全国大会では『改革を進めることが出来た』と報告したい。世界に誇る国民皆保険制度をはじめとする社会保険制度を子どもたちや孫たちの世代につなぐ責任がわれわれ現役世代にはある。ともに頑張ろう」と決意を述べた。
また同日、平野博文幹事長や泉健太政調会長らは国会内で健保連役員より要望書を受け取り意見交換を行った。健保連から大会決議の説明があり、とりわけ世代間の給付と負担のバランスに関し「現役世代では給付よりも負担の増加が著しく大きく、高齢者世代では給付の増加に比べ負担が抑えられている。1人当たりの年間保険料は2019年度には49.6万円だが、2022年度は54.9万円、2025年には58.6万円となる見込み。この状況を打破するためにも、給付と負担の見直しを含む高齢者医療制度改革に一刻も早く取り組む必要がある」などの要望があった。
平野幹事長は「わが国は世界に類を見ない高齢社会という一方、世界に冠たる国民皆保険制度というすばらしい仕組みがある。少子化が進む中、社会保険制度を維持するためしっかり議論していく」と述べ、2025年度には自身も75歳になる話をしながら、「身につまされる。給付と負担のバランスをしっかり考えて拠出を抑え、健康寿命を延ばすよう心掛けたい」とあいさつした。また羽田参院議員とともに、党と健保連政策懇談小委員会代表世話人を務める岡本充功党社会保障調査会長は「適切な医療費の負担のあり方について議論し、健康保険を守るというスタンスを明確にしていくことが大事。党としてもしっかり議論していきたい」と述べた。
要請には、大島敦副代表(企業団体委員長)、榛葉賀津也参院幹事長、浜口誠・矢田わか子両参院議員も参加した。