城井崇議員

 衆院本会議で19日、公立学校教職員の業務時間削減のための上限指針化、休日まとめ取りのための1年単位の変形労働時間制の導入を目的とする「給特法改正案」(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案)の討論・採決が行われた。反対の立場で討論に立った城井崇議員は、「業務時間減らない教員が出る」と業務時間削減への施策不足を指摘した上で教職調整額を含めた給特法等の抜本的見直し等を提案した。

 討論の冒頭に城井議員は、大学入学共通テストに国語や数学の記述式問題を導入することについて、採点を請け負った業者が事前に採点基準を知ることや、採点未経験のアルバイトが混じり公平な運営がなされないと指摘があるため中止すべきだと主張。野党共同会派「立国社」と日本共産党が「記述式問題導入中止法案」を提出しており、与野党各議員に成立のための協力を求めた。

 城井議員は、長時間労働の是正に向けた学校での条件整備について、部活動指導員、スクールサポートスタッフ、学校徴収金の徴収・管理の負担軽減、統合型校務支援システムの活用による負担軽減など、具体的な施策による業務時間削減を目指すと政府から説明があったが、部活動指導員は全国の2割強の学校にしか配置されず、国、都道府県、市町村でそれぞれ費用を3分の1負担するという地方負担もハードルとなって配置が進まない現状を指摘。

 1年単位の変形労働時間制の導入も「休日のまとめ取り」に限定して導入するのであれば「法律に明記すべきだ」と強調した。

 政府・与党がこの法案は教員の働き方改革の「一里塚」だと説明していることに対して、「一里塚」よりも「懸念」が勝る状況にあることから、本法律案に反対すると理由を述べた。「政府に対して教育現場から指摘があった懸念事項等への対応を立法府の意思として促すために、付帯決議をつけた」と言い添えて討論を終えた。

PDF「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案討論原稿」公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案討論原稿