国民民主党を含む野党は9日午後、国会内で第5回記述式試験導入問題ヒアリングを開催し、文部科学省と大学入試センターに事実関係を質した。城井崇衆院議員(衆院文科委理事)は「模試の採点ミスやクレームの件数等を確認せずに請負業者を選んでしまったのではないか。採点体制や採点者の質の確保、受験生が自己採点するには無理があることはこれまでの質疑からも明白だ」と文科省に迫った。
大学入試センターは、野党からの指摘があって初めて採点請負業者の実績とされている模擬試験の採点ミスやクレーム数を確認した、と答弁した。さらに、同センターが確認した模擬試験の採点ミスやクレーム数については、企業秘密のため国会に言わないよう採点請負業者から言われた、などと答えた。今回のヒアリングで大学入試センターが実績とされた採点実績のマイナス部分を踏まえず結んだ請負契約を結んでいたことが明らかになった。
政府・与党は6日、これまでの国民民主党をはじめとする野党の追及を受けて、大学入試共通テストの国語と数学に記述式試験を導入することは延期する方向で調整に入り、萩生田文部科学大臣は年内に導入の是非を判断する意向を表明している。