国民民主党をはじめとする野党5会派は16日、文部科学省を訪問し、大学入学共通テストにおける「記述式試験」の導入中止を求める文部科学大臣宛の要請書を文部科学大臣官房審議官に手交した。
「記述式試験」については、採点体制や採点者の質の確保、採点ミスの可能性、自己採点の難しさなど多くの問題点があることから、野党5会派として「記述式試験導入中止法案」を衆議院に提出するなどし、導入の中止を強く求めていた。
大学入学共通テストを巡っては、英語の民間試験活用についても、地理的・経済的格差が生じており、公平・公正性が保てないとの問題があり、野党は「延期法案」を提出して延期を求めていたが、萩生田文科大臣の「身の丈発言」もあり、既に延期が決定されている。
要請には、国民民主党から城井崇文部科学部門長が出席し、「約2年前の早い段階から、国会質疑などで指摘をしてきた。歴代の文科大臣も指摘を目にしながらも、根本的な問題点を本気で改善するところまで目を向けてこなかった。」とこれまでも改善を求めてきたが対応されてこなかったことに言及し、「最近になってようやく具体的な動きが出ているが、採点体制に無理があるという点は払拭できていない。豊富な採点実績をもとに選んだはずの業者も、採点ミスの数すら確認できないのであれば、その実績を前向きな評価にはできない。また、自己採点について今後の工夫をするといっても既に時間がない」と状況を強く批判した。
その上で、「延期ではなく、中止にして頂きたい。冬期講習の申込みも始まっており、受験生が宙ぶらりんの状況は変わらない。公的試験としての公平性や公正性が担保されていない状況に鑑みて、1日も早い中止の決断をお願いしたい」と訴えた。
野党5会派からの強い要請に対する文部科学省からの回答は、「重く受け止めたい」との発言にとどまった。