14日の本会議で政府提出「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部改正法案」、および国民民主党など共同会派らが提出した「年金積立金管理運用独立行政法人法等の一部改正法案」(GPIF法等改正案)の趣旨説明、および質疑が行われた。野党提出、GPIF法等改正案の趣旨説明を、国民民主党の岡本充功議員が行った。
同法案は、年金積立金管理運用行政法人(GPIF)等が管理・運用する年金積立金の資産における株式の構成割合に上限を設けることなどを主な趣旨としている。
同法案の提案理由について岡本議員は、「少子高齢化の急速な進展など社会経済状況の大きな変化に対応し、国民が安心でき、信頼できる持続可能な制度へと見直していく」ことが求められているにもかかわらず、(1)昨年8月の財政検証では、将来の所得代替率は約2割低下、特に基礎年金だけでみれば約3割低下する結果となっており、多くの国民が将来年金で生活していくことを不安に思っていること(2)ところが年金積立金の運用をみてみれば、基本ポートフォリオの株式の割合を50%に引き上げて以来、損益の幅が非常に大きくなっている。今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う株価の下落などで、1ー3月期に17兆円前後の損失が生じると見込まれている(3)こうしたリスクが高い運用を行いながら、GPIFは会計検査院が開示を求めているリスク情報を定期的に公表していない、等を挙げた。
こうした問題を改善し、高齢期等において国民が安心して暮らすことのできる社会を実現するために本法律案を提出した、とした。
岡本議員は、同法案の大きな柱として(1)年金積立金管理運用行政法人(GPIF)等が管理・運用する年金積立金の資産における株式の構成割合上限(20%)の法定化(2)年金積立金の運用リスク情報の公表義務付け(3)産前産後・育児期における国民年金保険料・国民健康保険料の免除(国が財政面での支援を行う)(4)年金生活者支援給付金の充実(年金生活者支援給付金について、給付基準額を月額6千円に引き上げるとともに、老齢年金生活者支援給付金は、保険料免除期間がない場合には、保険料納付済期間にかかわらず、月額6千円を支給する)を挙げた。
【概要】年金積立金管理運用独立行政法人法等の一部を改正する法律案