大西健介議員
 

 衆院本会議で8日、国民民主党の大西健介議員が共同会派を代表し、第2次補正予算案の財政演説に対して質問に立った。10万円の特別定額給付金の再支給、雇用調整助成金の差額支給、休業支援金の非正規労働者への対象拡大、持続化給付金の要件緩和などについてただした。

 第2次補正予算の内容については、野党が主張してきた雇用調整助成金の拡充、家賃支援、ひとり親世帯支援、地方創生臨時交付金の拡充、予備費を活用した学生支援、医療従事者等への慰労金の支給などが盛り込まれたことに一定の評価を示した。ただし、施策の大半が第1次補正予算審議で野党が提案していたことだと指摘し「後手後手の対応と言わざるを得ない」と対応の遅さを問題視した。
 10万円の特別定額給付金に関して、緊急事態宣言が解除されたものの、新型コロナウイルスとの戦いが長期戦の様相を呈してることから、「10万円ではとても足りず、もう一度10万円を支給して欲しい」という声にどう応えるのかとただした。安倍総理は、「今後の措置は何も決まっていない」として答弁を避けた。
 雇用調整助成金の日額上限の1万5千円への引き上げが4月1日以降の賃金締切期間中の休業に適用されることに関して、すでに支給申請したり、支給決定したりしている場合の対応についてただした。「差額の追加支給を受けられるのか、その際に申請書の再提出や追加の書類の提出を求めるなど余計な負担をかけないよう配慮すべき」と柔軟な対応を求めた。総理は、「差額を計上の上、遡及して支給する」との考えを明らかにした。
 新たな休業支援金に関しては、「休業手当をもらえない場合に中小企業の労働者の申請により支給される新たな支援金ができたことは画期的」と評価した。ただし、派遣労働者のなかには失業給付を受けられない人がいるとして、「『派遣切り』にあった労働者など非正規も幅広く休業扱いにして新たな休業支援金の対象とすべき」と提案した。総理からは「労働保険未加入であっても給付の対象となる」との答弁を引き出した。
 持続化給付金に関しては、多くの事業者から「もともと利益率が低い業種では売り上げ30%減でも相当キツイ」などの声があると紹介し、30%以上減なら上限額200万円の半分を支給するなど、支給要件の緩和を検討するよう求めた。総理は、既存の措置を説明するにとどめた。
 持続化給付金の手続き業務を委託したサービスデザイン推進協議会をめぐって、入札の不透明さやトンネル団体疑惑が発生したり、「Go To キャンペーン」でも多額の事務委託費の問題が露呈したりなど、再委託に深刻な懸念が生じていることから、「再発防止のため、再委託比率の上限を設定することを提案したい」と求めた。総理は、現状を追認する答弁に終始した。
 最後に大西議員は、「コロナショックはリーマンショックをはるかに上回り、2次補正だけではとても対応しきれない。現在も東京や北九州で感染確認が続き、秋以降のインフルエンザの流行と第2波が重なることに備えて、医療提供体制の強化は急務だ。このまま国会を閉じることは立法府として責任放棄であり、国民に対する背信行為である」と訴えて質問を終えた。