衆院本会議で22日、政府提出の「特定複合観光施設区域整備法案」(IR法案=カジノ設置法案)について、国民民主党の森田俊和議員が質問に立った。

 IR法案の質疑に入る前に森田議員は、21日に参院予算委員会に提出された資料で、2015年2月25日に安倍総理が加計学園理事長と面談し獣医学部新設について「いいね」とコメントしたと記録されていたことから、17年1月20日まで知らなかったとしてきた総理の国会答弁との矛盾を追及した。「昨年1月20日以前から、加計学園の獣医学部新設の計画を知っていたのではないか。また、昨年1月20日以前に、加計理事長から相談を受け、『いいね』と後押しするような発言をしたのではないか」等とただした。

 安倍総理は、「ご指摘の日に加計孝太郎理事長と会ったことはない」と、愛媛県作成資料の内容を真っ向から否定した。森田議員は、加計学園疑惑の真相を究明するため、安倍総理をはじめ、加計理事長らがありのままを国会で説明すべきだと証人喚問を要求するとともに、「もし、やましいことがあって説明ができないのであれば、安倍総理に残された道は退陣しかない」と断じた。

 カジノの設置を柱とするIR法案に関して森田議員は、カジノ行為の賭博性の違法性が明確に阻却されなければ、「本法案等はそもそも違法な法案となってしまう。賭博罪の違法性阻却の着目点として、『目的の公益性、運営主体等の性格、収益の扱い、射幸性の程度』など、8つが要件となっているが、これらの点について、いまだ明確になっていないのではないかという声がある」と指摘。上川法務大臣に対して、カジノ設置の違法性を阻却しているのか、阻却と判断しているならその理由について説明を求めた。

 上川大臣は、「本法律案の内容は賭博に関する法制との整合性が保たれていると考えており、本法律案に従って行われるカジノ行為については賭博罪等は成立しない」と答弁したが、賭博罪の違法性を阻却できるとした具体的要件については説明しなかった。

衆院本会議IR法案質疑_森田俊和議員予定稿