衆院本会議で24日、国民民主党をはじめ野党5党1会派が提出した高鳥修一厚生労働委員長解任決議案が審議され、国民民主党・無所属クラブから柚木道義議員が趣旨弁明、山井和則議員が賛成討論に立った。

柚木道義議員趣旨弁明

 柚木議員は、厚生労働委員長解任決議案提出の理由として、委員長職権による12回もの委員会開会、野党欠席下での政府与党による17時間を超える審議、野党からの資料要求の棚ざらし、加藤厚労大臣の度重なる「すれ違い答弁」の放置を取り上げた。さらに、裁量労働制に関する調査で多くの問題が明らかになったにもかかわらず、正しいデータに基づいて議論をし直そうとしないこと、過労死増が懸念されている高度プロフェッショナル(高プロ)制度に関して不十分なエビデンスや情報開示しかしない厚労省に寄り添った委員会運営を行ってきたことも問題視した。

 政府提出の働き方改革法案の最大の問題である高プロ制度導入に関して、「高度な専門性を持つ専門家などを時間で縛らずに自由に働けるという大義のもと、労働時間の規制を外し、休日や深夜の時間外労働の残業代をなくし、定額で働かせ放題ができる制度」であり、「この対象になった労働者からは過労死が続出しかねない」と痛烈に批判し、同制度創設の撤回を求めた。

 最後に柚木議員は、「今般の厚生労働委員長の委員会設営を改め、そして、労働時間上限規制やインターバル規制やハラスメント対策部分の法案は成立させて、高度プロフェッショナル制度部分は削除して法案を成立させる。そのための委員会運営を文字通り公正中立に行って頂ける委員長を改めて選任する」ことを求め、厚生労働委員長の解任決議案趣旨説明を終えた。

20180524厚生労働委員長高鳥修一君解任決議案趣旨説明(予定稿)

山井和則議員賛成討論

 山井議員は、高鳥厚生労働委員長に対する解任決議案に賛成する理由について、「生活困窮者自立支援法改正案を野党欠席のまま採決したばかりか、働き方改革法案の審議まで強行した」「今国会の職権での委員会立てなどは12回に上る。働き方法案の目玉である高度プロフェッショナル制度など重大な問題点を含む働き方法案の審議を強引に進め、強行採決しようとした」等と説明、国会の常任委員長として不適格であると断じた。

 最後に山井議員は、政治が国民の命を守るために存在し、国会議員に国民の命を守る責任があると表明し、与党議員に向けて「高度プロフェッショナルを削除する修正に応じてもらえないか?人の命を奪う法案の強行採決はやめてもらえないか?与野党合意できる部分を審議し、与野党合意で採決しようではないか?」と呼びかけ、賛成討論を終えた。

20180524高鳥厚生労働委員長解任決議案賛成討論(予定稿)