古川元久幹事長は17日、岩手県盛岡市を訪れ、党岩手県連の結成大会に参加し、党本部を代表してあいさつするとともに、時事講演会、街頭演説で国民民主党の立ち位置をアピールした。結成大会には達増達也岩手県知事、八幡博文連合岩手会長らが激励の言葉を寄せた。

 結党大会で古川幹事長は「野党がばらばらの状況では安倍内閣の1強政治を止められない。森友・加計問題に象徴されるように安倍政権は信用できないと多くの皆さんが受け止めながらも、なかなか内閣支持率が下がらないのは、他に政権を担える政党がないということで、安倍政権の存続を許してしまっている。こういう状況をこれ以上続けさせてはいけない。国民にとって政権を担える政党として自民党以外の選択肢がある状況をもう一度作り出さなければいけない」と述べ、国民民主党がその勢力となるために結党したことを強調。国民民主党ロゴにある英文表記の「Democratic Party For the People」については、リンカーン米国大統領の訴えた「人民の、人民による、人民のための政治」に通じる思いを込めたものだとして、「国民民主党は国民のための政府と行政を作っていく。国民の思いに応える政治を実現していく。『国民』にはその思いを込めた」と説明した。

 古川幹事長はまた、東日本大震災の被災地復興に力を尽くしていく考えも強調し、「国民の皆さんそれぞれがふるさとに思いをはせる。私たちは、その思いのあるふるさとを、地域の皆さんの目線に立って、その声を受けとめて政治を行っていく。国民民主党は地域に根差して、地域の皆さんの声にしっかりと耳を傾ける。地域を大事にする政党になっていく」と語った。 岩手が生んだ詩人で童話作家の宮沢賢治を敬愛しているという古川幹事長は、「雨ニモマケズ」の詩に盛り込んだ思いを実現する政党でありたいと語り、「国民の皆さんの暮らしを大事にする、思いに寄り添っていく存在でありたい」と訴えた。

 県連を代表してあいさつした黄川田徹県連代表は、「国民民主党は中道の改革政党である。政治のど真ん中を突き進んでいく政党。国民主権、平和主義、基本的人権の尊重など、これまで民主党・民進党として取り組んできたことを前に進めていきたいと思っている。国民民主党は地域を大事にする政党として歩み始めた」と力を込めた。

 街頭演説では黄川田県連代表、の階県連代表代行、古川幹事長らがマイクを握り、地域を大事にする政党として岩手であらためて党勢拡大を果たしていくと聴衆に訴えた。

街頭演説は県連所属の自治体議員が勢ぞろいして力強く国民民主党への支持を訴えた

ぶらさがり記者会見

 結成大会終了後に古川幹事長、黄川田県連代表、階県連代表代行が記者団の取材に応じた。

 結成大会開催についての所感を問われた黄川田県連代表は、これまで組織のうえで民進党と希望の党に分かれ活動してきていたが、晴れて国民民主党として一致結束する形が整ったことについて、「あらためて階議員と二人三脚でスタートできることができた。力強い限りだ」と語った。来年の参院選に向けては「6年を託される議員を選んでもらう選挙。責任政党として6年を任せてもらえる、将来を見据えた政治を担いうる政党として心して選挙戦に臨んでいく」などと語った。

 階県連代表代行は「昨年の秋以来、不幸なことに地方自治体議員の皆さんと分かれて活動してきたが、ようやくここで一体となって活動することができるようになる。ここからが大きなスタートだ。来年大きな選挙が立て続けにあるが、選対委員長として党の勢力が必ず増加するよう頑張っていく。県連の皆さんと力を合わせて一歩一歩着実に進んでいく。結成大会に集まった皆さんを前にしてその実現の可能性が大きいことを確信した」などと語った。

 古川幹事長は「新しい国民民主党はまずは地域から始めようということで、地域での県連の立ち上げや自治体議員との連携を重視している。国民民主党は地域で暮らしている国民の皆さんとまずはつながっていく」と述べ、地方組織の立ち上げや自治体議員の連携強化に力を注いでいく考えを語った。