参院本会議で18日午前、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党、希望の会の各会派が共同提出した石井啓一国土交通大臣問責決議案が審議された。国民民主党の矢田わか子議員が趣旨説明、伊藤孝恵議員が賛成討論を行ったが、決議案は賛成少数で否決された。
矢田わか子議員趣旨説明
矢田議員は、問責決議案提出の理由について、「西日本各地で豪雨災害の発生直後からその被害の甚大さを認識し、被災地に寄り添うことを一番に考えるべきと判断し、国民民主党をはじめ野党側から繰り返し石井国土交通大臣に災害対応に専念するよう要請してきたにもかかわらず、これらを後回しにしてIR(カジノ)整備法案の審議促進を優先する石井大臣の姿勢には、驚き呆れるばかりだ」などと指摘。「国民の生命を守るための災害対応よりも、カジノ解禁に関する法案審議を優先させ、その一方で、安倍 総理大臣を守るために、国民が求める疑惑解明に関する説明責任を放棄する石井大臣に、国務大臣としての資格はない」と断じた。
伊藤孝恵議員賛成討論
伊藤議員は、「ポストを持った人間の務めは、優先順位を間違えないよう、細心の注意を払うことである。損得ではなく、忖度(そんたく)でもなく、当たり前を見失わず、後世に恥じることのない決断を下すことである。その意味で、今回の大臣の振る舞いは、残念だが、十分、問責に値する」と述べ、問責決議案に賛成する理由を説明した。石井大臣が優先するカジノ法案に関して(1)法案審議の進め方(2)法案の中身(3)成立後に想定されるリスクへの手当てが不十分――などの問題点を指摘。森友学園問題に関して石井大臣が無責任な態度に終始してきた点も挙げた。