参院で8日午前に開かれた本会議で、政府提出の「所得税法等の一部を改正する等の法律案」(所得税法等改正案)の質疑が行われ、国民民主党・新緑風会の古賀之士議員が登壇し質問した。
古賀議員は、(1)復興庁の後継組織(2)来年度税制改正の全体的な狙い(3)骨太の方針2018の「真に必要な財政需要」(4)国税職員の定員確保と機構の拡充への考え(5)軽減税率への相談体制(6)先端決済システムへの補助の可否(7)購買履歴の保存期間(8)決済データのチェックが国外に及ぶか(9)産業革新投資機構の社長と経営方針(10)産業革新投資機構及びその子会社INCJは政府出資に値するか――等に関して安倍総理をはじめ関係閣僚らに政府の見解をただした。
政府が10月に予定している軽減税率については、何が対象となり、何が対象とならないかについて消費者に混乱が生じることは火を見るより明らかであり、第一線の税務署にそのしわ寄せが行くことになると問題点を指摘し、適正・公正な課税と徴収の実現、歳入の確保のためには国税職員の定員確保と機構のよりいっそうの拡充が必要だと安倍総理に求めた。
古賀議員は国民民主党として軽減税率に断固反対だと立場を強調し、政府があくまで強行するのであれば、国税庁の相談ダイヤルに電話をかけてもつながらない消費者を一人でも減らすために、相談対応を改善するよう麻生財務大臣に強く求めた。
政府がキャッシュレス決済を進めるため、消費者へのポイント還元や決済端末の導入補助を行うとしていることに関連し、古賀議員は世耕経済産業大臣に顔認証、虹彩認証といった最先端の認証技術を用いた先端決済システムへの補助の可否について質問した。また、政府が税金を使ってポイント還元を行うため、適切に還元されたかどうかのチェックのため、各事業者はキャッシュレスによる購買履歴を保存しておく必要があるとし、世耕大臣に購買履歴の保存期間と保存場所を質問した。最後にキャッシュレス決済を進めるため、あえて税金で補助して普及を図るのが適切かどうか、今一度考える必要があるのではないかと問題提起した。
産業革新投資機構の社長と経営方針および政府出資に値するのか世耕大臣に確認した。世耕大臣は「社長は不在で経営方針は暫定的」と答弁した。