伊藤孝恵議員

 参院本会議で5日、衆院で全会一致で修正可決した「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案」が審議され、国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵議員が安倍総理らに法案の問題点などをただした。

 国民民主党をはじめとする野党の提案を受けて修正された主な内容は、(1)児童虐待を受けた児童が移転する場合、移転前の児童相談所は移転先の児童相談所に速やかに情報提供を行う(2)児童虐待相談対応件数が過重なものとならないよう児童福祉司数の必要な見直しを行う(3)児童の意見表明権を保障する仕組みとして、児童の意見を聴く機会の確保、児童自ら意見を述べる機会の確保、児童の権利を擁護する仕組みの構築その他の児童の権利擁護のあり方について必要な措置を講じる(4)DV被害者の範囲の拡大、DV加害者の地域社会における更生のための指導のあり方について必要な措置を講じる――など。

 衆院で与野党の努力により全会一致で修正可決したことについて伊藤議員は、「大変意義深い」と評価した上で、児童福祉司の増員に関して野党案には増員規定が盛り込まれていたが、政府・与党が拒んだために修正案に明記されなかった点を指摘し、その理由をただした。安倍総理は「従来から政令で定めるとしてきた」などと述べるにとどまり、増員に消極的な姿勢を示した。

 その他にも伊藤議員は、中核市及び特別区への児童相談所の必置、転居した場合の措置解除期限、一時保護所の拡充、体罰禁止、懲戒権、親への再発防止支援プログラム、内密出産等に関して、児童虐待防止対策を真に実効あるものとするために政府の対応のあり方をただした。最後に、「国民民主党は、これからも児童虐待防止に圧倒的当事者意識をもって取り組むことを約束する」と表明し、質問を終えた。

PDF「児童虐待防止対策強化法案への質問」児童虐待防止対策強化法案への質問