後藤祐一議員

 28日、衆院の予算委員会で令和元年度の補正予算案の締めくくり質疑が行われた。共同会派を代表し、後藤祐一議員が登壇し(1)中国の新型肺炎(2)補正予算案(3)統合型リゾート施設(IR)事業、等のテーマを取り上げて質問した。

 冒頭、後藤議員は中国等で感染が広がる新型肺炎について触れた。政府がチャーター機に乗って帰国する邦人の検疫を、チャーター機に乗る前ではなく、機内で行う予定であると厚労相が答弁したことについて「機内で感染が広がる危険性もある。そのリスクは大きいと考えるべきではないのか」と述べ、政府の対応に疑問を呈した。

 また後藤議員は補正予算案について、過去の補正予算案の提出された時期を列挙した資料を見せた上で「地震だとか台風だとか、いろいろなケースあるが、災害から大体1か月半後ぐらいには補正予算をつくっている」と指摘。昨年末の臨時国会で審議しなかった理由をただした。

 さらにIR事業については(1)宮崎政久法務大臣政務官と中国系IR企業との関係と金銭授受の有無(2)宮崎政務官のSNS上での発言が東京地検特捜部の捜査に与える影響(3)2017年に安倍総理が訪米した際のトランプ大統領との面会や、米国要人らとの朝食会における会話の内容(4)IR事業者の認定申請を、観光庁が2021年1月4日から7月30日まで受け付けるとしたことと、同年8月に予定されている横浜市長選との関連性ーー等について政府をただした。

 特に2017年の米国のトランプ大統領と安倍総理との間の具体的なやり取りが、のちに一部メディアで取り上げられた点について後藤議員は、「深刻なのはこうした情報が政府内の担当部局に伝わり、それだけで忖度されてしまうことだ」と述べた。その上でIR事業を担当する政府関係者と民間事業者の接触に関し、国会議員も含めた禁止規定を設けたり、過去に遡った面会記録を義務付けたりすべきではないか、と主張した。これについて政府からは「国交省の調査では、現在IR事業導入を検討中の8地域の内7地域でそうした規制をすでに作成済みで、今後もしっかりとしたものを作っていく」(赤羽一嘉国交相)、「議論に沿って丁寧に進めていく」(安倍総理)などの答弁を引き出した。