矢田わか子議員

 参院予算委員会で31日、内政・外交の諸課題に関する集中審議が行われ、国民民主党の矢田わか子議員が共同会派の2番手として質問に立ち、(1)新型コロナウイルスの感染防止(2)全世代型社会保障改革の課題(3)カジノ事業者との接触規制(4)カジノ管理委員会の公開性の徹底化(5)IRを成長戦略と位置づける問題(6)選択的夫婦別姓制度の導入――などについて安倍総理らの認識をただすとともに、政策提案を行った。共同会派からは、石橋通宏議員も質問に立った。

新型コロナウイルスの感染防止

 新型コロナウイルスに対する政府の感染防止策では、隔離や停留を実施できないことから矢田議員は、民主党政権が導入した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」第2条に定義される新感染症に指定されれば、「今の第2類ではカバーできないところが、カバーができるようになり、隔離、停留が可能となる」と説明し、厚生労働大臣に同法の新感染症に当たるかを至急検討するよう求めた。加藤厚生労働大臣は、矢田議員の提案に理解を示した上で、今後の対応について「固定的に考えているわけではない。状況に応じて的確な判断をしなければならない」と答弁した。

全世代型社会保障改革の課題

 政府が昨年12月に発表した「全世代型社会保障検討会議」中間報告の内容が不十分だと指摘した矢田議員は、「高齢者の医療費の膨張への対応として、診療に関わる自己負担の引上げで受診抑制をはかろうとしているが、予防医学を重視するとか、重複する医療を排除するとかを検討すべき」「世代間の負担格差の是正や資源配分の均等化という課題も重要ではあるが、世代内の格差というものにも考慮した改革をすべき」と2点を西村担当大臣に提案した。西村大臣からは、「大変大事な指摘だ。健康予防にも力を入れていくという方向性を打ち出し今般の予算にも盛り込んでいる。ご指摘の高齢者の実態を踏まえながら検討を進めたい」との答弁を引き出した。

実効性ある事業者接触規制

 IRつまりカジノを含む複合観光施設に関しては、秋元副大臣ら政治家の贈収賄事件が明るみになり、安倍政権が成長戦略の柱だといくら言っても、儲かるのは一部の関与した国会議員だけではないかという疑惑の目が国民の間にあると指摘。こうした事態を受けて国民民主党はじめ野党は、疑惑が解明されるまで一旦立ち止まるべきと考え、カジノ廃止法案を国会に提出したことを紹介した。野党の廃止法案に政府が応じず、カジノを推進しようとするならば、少なくとも大臣、副大臣、政務官ら政務三役、さらに関係する職員も含めて事業者との接触を規制する特別ルールを設けるべきと提案した。

カジノ管理委の公開性の徹底化

 カジノ管理に関して、カジノ管理委員会が今後決定する規則のあり方がカジノの厳正な管理・運用に大きな影響を与えると指摘、「議論の透明性を確保することが重要であり、委員会の議事録は詳細に、そして迅速に公開してほしい。1月23日に開催された第2回目の会議録はまだ公開されていない」と述べ、担当の武田大臣に迅速に公開するよう求めた。武田大臣は、矢田議員の指摘に賛意を示し、「公開するよう先ほど強く指示を出した」と答弁した。 

IR を成長戦略と位置付ける問題

 国はIRを成長戦略と位置づけ、カジノ管理のための組織と経費を持ち、自治体は土地の提供やインフラ整備に膨大な予算を費やすことになると指摘。成長戦略を考えるのであれば、我が国の将来を考え、国際競争力を高める施策を優先すべきとし、「他国に比べ相対的に低くなっている研究開発予算を大幅に増額するとか、今後の科学技術の発展にとって不可欠な若手研究者の育成を優先するとか、あるいは公的研究機関をさらに活用する」などに取り組むよう政府に求めた。

選択的夫婦別姓制度の導入

 選択的夫婦別姓制度については、最新の朝日新聞の調査で69%が賛成している点、国際的にも法律で同姓制度を義務づけている国が日本だけとなっている点、国連の女子差別撤廃委員会も日本の夫婦同姓制度の撤廃を何度も勧告している点を説明し、「政府として、選択的夫婦別姓制度の導入に関する民法改正をやる時期になっている」と提案した。

資料1

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資料2

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資料3

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資料4

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資料5

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