矢田わか子参院議員

 参院の予算委員会で6日、一般質疑が行われ、国民民主党から矢田わか子議員が登壇。矢田議員は新型コロナウイルス対策に関して(1)特措法の改正(2)中韓からの入国規制強化(3)相談窓口の拡充(4)マスク不足への対策(5)検査体制のあり方(6)企業の国内回帰支援策(7)予算対応――といったテーマについて政府の姿勢を質した。

○新型インフルエンザ対策特措法の適用

 矢田議員は、政府が検討している新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正について、改正部分は「特措法の適用対象を新型コロナウイルスに広げる」というところだけなのか、また当初案に含まれていた「遡及規定」を取り下げた理由を質した。これに対し内閣官房は、現在の改正案は、適用対象を広げる部分だけであり、既存の各特措法にあわせる形で「遡及規定」を取り下げた、と説明した。

○入国規制の強化

 昨日発表された中韓2国からの入国規制の強化について、事前に専門家会議で議論がなされたのか、問い質した。これに対して菅義偉官房長官は、「会議に直接諮られた訳ではないが、個々の専門家から意見は聞いている」と答弁。

○マスク不足への対策

 国内におけるマスクの供給不足について、矢田議員は、台湾におけるICカードを使ったマスクの販売管理強化の事例を挙げながら、日本の社会保障分野のIT化の遅れを指摘。こうした分野に積極的に投資をしていくべきではないか、と政府の見解を質した。

台湾の健康保険証と薬局におけるマスク販売

台湾の健康保険証と薬局におけるマスク販売

○新型コロナウイルスの検査体制強化

 新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判断するPCR検査の国内体制について矢田議員は、(1)なぜ国内での検査が進まないのか(2)根本原因として考えられのは何か、を質した。

 これについて加藤勝信厚労相は、(1)今までは検査をするのに必ず保健所の了解が必要だったこと(2)保険適用がなかったこともあり、採算に敏感な民間機関が参入に積極的でなかったこと(3)相談窓口から外来への紹介がなかったこと――など複数の理由を挙げた。

○相談体制の拡充

 コロナウイルスの感染拡大に伴い、様々な不安を抱える市民からの相談件数が増えていると、茨城県の例を挙げて説明。矢田議員は、電話回線を増やしてつながりやすくする、フリーダイヤル化するなどして、市民からの相談を受けやすくすべきではないか、と問い質した。

 また政府や各自治体の情報は、ホームページにて開示されることが多いが、現実には高齢者の一部など、そうしたページを見ることができない情報弱者が存在している、と矢田議員は指摘。こうした情報弱者に対する対応の充実を政府に求めた。

茨城県における保健所への相談件数

茨城県における各保健所への相談件数

○学校の一斉休校要請について

 政府による学校の一斉休校の要請について矢田議員は、混雑による衛生状態が懸念されている学童への学校校舎の開放や学校教師の派遣について、政府の意見を質した。この質問について亀岡偉民文科副大臣は、校舎の開放は想定されていないが、人員確保については「通常の学年末業務に加え、臨時休校に伴う家庭訪問などに追われる学級担任以外の教師等の派遣について、各教育委員会を通じてお願いしたところである」と回答した。

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