田村まみ議員

 参院予算委員会で16日、新型コロナウイルス対応等について集中審議が行われ、田村まみ議員がマスクの供給、病気休暇制度、傷病手当金などについて政府の姿勢をただした。

 田村議員は、政府が保有するマスク250万枚の民間への提供の時期、手段について尋ねると、加藤厚生労働大臣は「省庁が備蓄していたマスク250万枚は医療機関などに提供される。本日に各都道府県に到着し、18日までに配布してほしいと自治体に要請している」と明かした。

 また、マスクの供給が需要に全く間に合っていない状況の中で「ドラッグストアなどの小売店でカスタマーハラスメントが起きている。店員が無理難題を要求するお客様の対応で疲弊している」と現場の声を伝え、安倍総理に改善を訴えた。それに対し、安倍総理は「消費者のニーズに応えようと製造、流通、小売りなどで奮闘されている方々に内閣総理大臣として感謝の意を表する。消費者には冷静な購買行動をお願いしたい」と応じた。

 政府が新コロナウイルス感染予防のため、発熱等がある時には仕事を休むことを勧めていることに触れ、「日本の企業で病気休暇制度があるのは25.7%に過ぎない。感染症の疑いがある症状や濃厚接触者となったために仕事を休む場合に不利益が生じないように、病気休暇を法制化すべきだ」と求めた。これに対し、加藤労働大臣は「一定程度増えてきたが、これからも企業に働きかけたい」と述べた。

 次に、田村議員は発熱など感染の疑いがあり感染予防のため仕事を休む場合、健康保険制度における傷病手当の給付は休業期間が4日以上という要件があるため、はじめの3日間は無給になってしまうことを指摘した。アメリカやイギリスで傷病手当の拡充が進んでいることを紹介したうえで、日本でも前倒し支給に変更する政治決断を求めた。

 加えて、自営業者やフリーランスで国民健康保険に加入している者が傷病手当の給付対象に入っていない問題について国の対応をただした。加藤厚生労働大臣は、「傷病手当を支給する市町村に対し、支給額全額を特例交付金として措置する。市町村が円滑に条例改正できるように、条例改正の雛形の提供等の支援をおこなう」と答弁した。

 田村議員はほかに、発熱のためにデイケアセンターに通所できなかった利用者にセンターの職員が訪問してケアをおこなう場合の介護報酬の引き上げ、新型コロナウイルスの新薬開発への国の助成などについても質問した。