足立信也議員

 参院予算委員会は23日、集中審議をおこない、足立信也議員が質疑にたった。新型コロナウイルスの感染拡大による景気への大きな影響が指摘されるなか、「ある一定額を国民の皆さんに行き渡るようにすることが、消費や雇用を何とかつなぎ止める手段ではないか」と安倍総理に提案した。

 足立議員は冒頭、令和元年の自殺者が厚生労働省と警察庁の発表で20169人となったことがわかり、この10年で約1万人減となったことに言及。かつて自殺者が3万人を超えて多かったことの原因は、「消費が落ち込んで雇用が失われたのが最大の原因だ」と述べた。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大が経済へ大きなダメージを与えていることが指摘されるなか、消費の停滞、株価の暴落、雇用の消失に対処しないと「自殺者1万人減を目標とする状況が繰り返されるかもしれない」と警戒を促した。

 また、株式市場が暴落し、日本銀行の株式の含み損も2~3兆円と黒田日銀総裁が答弁する中、GPIFの含み損の状況を説明するように年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の高橋理事長に求めた。しかし、高橋理事長は、運用状況は7月上旬の公表と述べるにとどめた。足立議員は、かつてはGPIFの試算構成に占める株式の割合は国内株式11%、海外株式9%であったが、安倍政権になって2回拡大し、現在は最大67%まで運用できるように変更していることを指摘。「私たちの大事な年金積立金。やはり、こういうことが起こると注意喚起する必要がある」と語った。

 その他に足立議員は、これまでの政府の新型コロナウイルス感染症への対応を検証し、

(1)ヒト・ヒト感染と認識したのはいつか

(2)ダイヤモンドプリンセス号の臨船検疫について、無症状病原体保有の経過観察期間を当初10日間と定めた根拠は何か

(3)PCR検査の公費負担の範囲

――等について質問した。

 最後に、自身の議員生活が16年となった足立議員は、これまでの議員生活で大きなリスクが、リーマンショック、新型インフルエンザ、東日本大震災であったと3つあげた。リーマンショックについては、「自公政権は対応できなくて、政権が変わったんじゃないか。そして新型インフルエンザと東日本大震災は民主党政権であったんじゃないか」と指摘。さらには第1時安倍政権も含めて、消えた年金記録問題、公文書改ざん問題、安保法制、森友・加計問題、桜を見る会の問題、検察官定年延長問題と安倍政権で起こった数々の問題をあげ、「民主的な国家システムを次々に壊している」と強調。「私は緊急事態に対応できる政権ではないと断言する」と述べ質疑を終えた。