森ゆうこ議員

 参院予算委員会で20日、新型コロナウイルス感染症対策に関する参考人質疑がおこなわれ、共同会派から森ゆうこ議員が質問に立った。参考人として政府の新型インフルエンザ等対策有識者会議基本的対処方針等諮問委員会の尾身茂会長、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の脇田隆宇座長、慶應義塾大学経済学部の竹森俊平教授が意見陳述した。

 冒頭、情報公開に関して森議員は「きちんとした情報が開示されているだろうか」「対策がきちんと行われているだろうか」といった不安の声が国民の間にあると指摘。感染状況を分析、発表してきた専門家会議は「分析をした元データを発表していくべきではないか」と提案した。これに対して脇田参考人は、「公開できるデータは順次公開していく」と答弁した。

 次に、これから夏を迎えていく中でエアコンを使う機会が増え、換気が疎かになることに懸念を示し、「エアロゾル感染の拡大心配しなくていいのか。換気の必要性をもっともっとピールすべきではないか」と問いかけた。脇田参考人は「エアロゾル感染を否定するものではない」などと述べるにとどめた。

 緊急事態宣言の解除、再指定に関して、政府の判断基準が国民に明確に伝わっていないと指摘し、「どの数値がどうなれば緊急事態措置を緩和するのか、強化するのか、定量的に示すべき」と提案した。尾身参考人から「定量的、定性的な指標をもとに明日も判断する」との答弁を引き出した。

 最後に安全で有効なワクチン開発ができない場合、どのような出口戦略を検討しているかとたずねた。脇田参考人は、「まずはワクチンの開発を期待しそれを促進していきたい。それが難しい場合には、重症化、死亡を抑える効果的な治療薬の開発が次に必要だ」と答えた。