国民民主党は29日、未来先取り研究会を国会内で開催。日本総合研究所の藻谷浩介主席研究員から「コロナとアベノミクスに共通するインフォデミックスとは何か」と題する講演を聞いた後、意見交換した。
藻谷氏は、新型コロナウイルスによる国別の感染者数や死亡者数などを比較しながら感染の実態を解説した。新規感染者数を見ると、世界的に再び増えつつあるが、死亡者数は増えておらず、死亡率が低下している。100万人当たりの死亡者数で日本は、欧米に比べれば超優等生だが、西太平洋諸国の間では劣等生であると説明した。
どういう場所で感染が起きているかについては、「人々が『密集』して『飲食』して『大声』を出している場所だ」と指摘。通勤電車内や普通の飲食店内での感染が広がっていないのは、「密集」「飲食」「大声」の3点が揃っていないからだと分析した。感染拡大を防ぐためには、この3点が揃わないよう浸透させるべきではないかと説いた。
新型コロナを年代別の死亡率で見た場合に30代以下でほぼ死亡率がゼロであるとことから、「子どもにとってはインフルエンザよりも怖くない病気だ。それにもかかわらず、先に小中高や大学を閉鎖して本当に良かったのか」と政府の施策に疑問を呈した。
また、同じ日本国内でも感染状況に格差があるとし、東京都心部の感染率が圧倒的に高い一方で、台湾よりも低い地域があることを明らかにした。必要なこととして、(1)地域の実情に応じた対応(かなりの地域で自粛は不要だっただろう)(2)全国一元のワイドショーに煽られる住民の不安緩和・解消(信頼できる政治家による説明)(3)地域ごとの対応に伴う責任の明確化(選挙で選ばれた政治家の決断)と提案した。