地球温暖化対策

  • 「パリ協定」を推進するため、徹底した省エネルギーと、発電所の効率化、自動車の燃費改善の促進、再生可能エネルギー30%以上の導入等により、2030年までに1990年比30%以上のCO2削減を目指します。

  • 全ての国が参加する将来枠組みを採択するため、我が国から具体的な将来枠組みを提案し、主導的な環境外交を展開します。

  • 地球温暖化対策に関する①国際社会に通用する新たな中長期数値目標の設定、②再生可能エネルギー導入目標の設定、③省エネルギーの徹底、④技術開発、⑤環境外交の推進、⑥環境適応等を盛り込んだ基本法の制定を図ります。これにより、地球環境・生態系の保全、新たな産業の創出、就業機会の拡大など環境と経済発展の両立を図ります。

  • 温室効果ガスを大量に排出する火力発電所については、一定効率以上の発電所以外の建設を認めないなどの規制の導入に向け検討を進めます。

  • 強力な温室効果ガスであるフロンについては、回収を徹底するとともに、速やかに自然冷媒など代替物質への転換を行います。

  • ESG投資(環境、社会貢献、企業統治に配慮する企業への投資)を促進します。

環境教育・環境情報の公開

  • 「生活の質」や「人間の幸福」の意味を「環境」との関係において明らかにし、人と自然と社会との関わりと共存の意義を理解し、適応することを学ぶ機会を保障する観点から、地域やNGOと協力し、環境教育プログラムの開発や環境保全を推進するための社会的制度的基盤を整備すること等により、学校などでの環境教育を充実させ、環境と経済が両立する持続可能な社会を構築します。

  • エコツーリズム、グリーンツーリズム(自然や農業に親しむ観光)、里山体験、ホエールウオッチングなどを推進し、自然環境・生物多様性の重要性、希少性、経済性を学び、自然環境が損なわれる事態が生じないよう意識の向上のための取り組みを進め、自然環境保全態勢を整備します。

  • 環境情報の公開、環境に関する市民参画、司法アクセス等に関するオーフス条約の批准を目指します。あわせて、政策形成過程における市民参画のあり方、環境団体訴訟(環境団体が、環境利益を守るために、行政や企業などに違法行為の差止等を求める公益訴訟)の導入についても検討を進めます。

人と自然との共生と保全(花粉症低減へ向けて)

  • 国民の約3割が罹患しているスギ花粉症の対策強化を図るため、スギ人工林の伐採・利用・植え替えの促進、花粉の少ない苗木の生産拡大、花粉飛散抑制技術の開発をさらに進めます。

  • これまでの国土形成・林産業政策について、治水、農地・森林の多面的機能・公益的機能の維持、中山間地の再生、人の健康などの観点で見直し、落葉樹の混ざる自然な山林に戻すとともに、木材の安定供給を図り、木材・木質バイオマスや木製サッシの推進を含めた住宅などへの国産材の利活用、海外への木材輸出を促進し、ドイツのような林産業大国を目指します。

生物多様性・動物愛護

  • 人と動物が幸せに暮らす社会を実現するため、犬猫の殺処分ゼロを目指します。動物を飼養・管理する者の責務の強化、動物取扱業者の責任の強化などに取り組みます。

  • 侵略的外来生物駆除、野生生物適正管理を機動的に行うための基金を創設します。また、後継者の育成のため、狩猟を学び訓練する施設の増設を進めます。

  • 日本の美しい自然、豊かな生態系を後世に引き継ぐため、民間が行うナショナルトラスト活動に対し支援を行う「ナショナルトラスト法案」の検討を進めます。

下水道法・浄化槽法改正

  • 下水道法並びに浄化槽法を改正し、公共下水道の排水区域内において合併処理浄化槽で汚水を処理している場合、公共用水域の水質の保全や公衆衛生の見地から著しく不適切な場合を除き、公共下水道への接続義務を免除する等の措置を講じます。

廃棄物対策

  • 省資源型の循環型社会への転換を実現し、廃棄物の不法投棄や不適正処理を防ぐため、法制度を抜本的に見直します。具体的には、①環境への影響の未然防止を徹底するなどの廃棄物・リサイクル政策の原則の確立、②製品製造者の廃棄製品引き取り対象品目の範囲拡大、③情報公開による施策の透明化、④一般廃棄物と産業廃棄物の区分の見直し、⑤排出者責任の徹底、⑥リサイクル名目の不適正処理の防止、⑦計画的な省資源化・資源循環の推進、⑧リサイクル率・回収率引き上げが必要な製品の指定、⑨リサイクル材の規格化による利用拡大、⑩罰則強化等による廃棄物管理の徹底などを図ります。

  • 拡大生産者責任を重視するとともに、リサイクル費用の負担のあり方を幅広い関係者一体となって検討し、各リサイクル法での費用徴収時期を統一するなど、分かりやすい制度の構築を目指します。また、将来のリサイクル費用に充当するための引当金制度の創設など、製造事業者によるリサイクルを支援します。

  • 「負の遺産」として遠ざけられがちな廃棄物の最終処分場について、適正かつきめ細かな管理・監視体制を構築し、人の健康が脅かされることのない、安全・安心な社会づくりを目指します。また、不法投棄事案について、可能な限り早期に原状回復が得られるよう、必要な対策を積極的に推進し、その全面的な解決を目指します。

化学物質対策、化学物質過敏症への対応

  • 縦割り行政を排し、人の生命・健康と環境を守る観点に立った総合的な化学物質対策を進めます。化学物質の製造から廃棄までの全体を、予防的取り組み方法に基づいて包括的に管理するための総合的な法制度の構築に向けて検討を進めます。

  • 建築物に由来する化学物質被害を防止し、シックハウス被害者がこれ以上増加することを防ぐため、①建築物完成後の居室内の有害化学物質濃度測定を義務化し、基準を超えた場合には改善を求める、②大規模な公共建築物における有害化学物質の定期的な測定を義務付ける等を内容とするシックハウス対策のための法制度の検討を進めます。

  • シックハウス症候群や化学物質過敏症など、化学物質による健康リスクを低減させるために、実態調査や発症メカニズムの解明など科学的知見を充実させます。被害者には、有効な治療体制の確立、都道府県ごとに長期滞在型療養施設を建設するなどの対策を進めます。

  • 3R(リデュース・リユース・リサイクル)を徹底し、プラスチック資源の一括回収を全国展開するなど、廃プラスチックの有効利用率を高めます。また、使い捨てプラスチックによる環境負荷を抑制するため、再利用性の高いプラスチック製品の生産・使用に取り組むとともに、バイオプラスチックなど代替素材への転換を促進します。

  • マイクロプラスチック問題の深刻化を踏まえ、環境中での挙動の調査や、国際的な取り組みを強化するとともに、生態系への影響を防止するための規制を導入します。

健康被害対策

  • 環境健康被害の回復・軽減策及び被害防止対策の迅速な実施を図るため、「環境健康被害者等救済基本法」を制定します。その内容は、①被害者救済に関する基本施策の策定、②原因究明・調査・研究を国などに義務付け、③認定基準の緩和、④行政からの独立性を高め環境健康被害等基準策定等委員会の設置、⑤訴訟関連支援制度(相談窓口の設置、専門家・海外知見等の紹介等を国などに義務付け)の整備、⑥救済給付制度(医療費、療養費、交通費等)の整備等です。これにより、被害者の多くが迅速に救済されることを目指します。

  • アスベスト被害者の属性により救済内容に格差が生じない隙間のない救済を実現するため、縦割り行政を排し、情報公開、情報開示の促進、患者・家族をはじめとする関係者の参加を確保しながら、基金の創設などのアスベスト対策を総合的に推進します。

  • PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が心配されています。PM2.5の環境基準が2009年に定められましたが、各地で環境基準を超える濃度が観測されるなどの状況が生じています。モニタリングポストを増やし監視体制を充実させるとともに、有効な発生源対策を講じていきます。また、海外の発生源に対しては環境技術供与などを通じて、日本に飛来するPM2.5を減らしていきます。また、PM2.5の濃度が増加した場合の措置(注意報)を大気汚染防止法に位置付けるなど、全国で統一的な対応ができるよう検討を進めます。