基本姿勢
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憲法は、主権者である国民が国を成り立たせるに際し、国家権力の行使について統治機構のあり方を定めた上で一定の権限を与えると同時に、その権限の行使が国民の自由や権利を侵害することのないよう制約を課すものであって、時の権力が自らの倫理観を国民に押しつけるものではないことを確認して、国民とともに憲法の議論を進めます。
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私たちは、日本国憲法が掲げ、戦後70年間にわたり国民が大切に育んできた「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の理念を堅持し、自由と民主主義を基調とした立憲主義を断固として守ります。憲法9条をはじめとする現行憲法の条文について、論理的整合性、法的安定性に欠ける恣意的・便宜的な憲法解釈の変更は許されません。
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その上で、象徴天皇制のもと、「知る権利」を含めた新しい人権、地方自治の保障等を含む統治機構改革など、時代の変化に対応した未来志向の憲法を国民とともに構想していきます。
基本的人権
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基本的人権は、人間が人間として生まれてきたことにより、誰もが当然に享有する権利です。
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基本的人権は、他人の基本的人権との衝突を回避するために調整されることはあっても、「公益」や「公の秩序」といった他の価値の後回しにされるものではありません。
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この基本原理を踏まえて、環境権、知る権利など新しい人権を憲法にどのように位置付けるのか、議論を深めます。
国会
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統治機構改革を進める中で、国と地方の役割分担、中央機能の役割分担と監視・抑制機能のあり方の議論を深めます。
行政
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国民主権の実効性を高めるため、真の政治主導と内閣主導の実現を目指して、内閣法や国家行政組織法などを見直し、体制を整備します。
衆議院の解散権の制限
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時の政権が解散権を濫用することのないように、内閣総理大臣による衆議院の解散権の制約について議論します。
地域主権
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国と地方の役割を抜本的に見直し、国の役割は、外交、安全保障、社会保障制度やマクロ経済政策等に限定し、住民に身近な行政は地方自治体が担うこととします。
平和主義と安全保障
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国が自衛権を行使できる限界を曖昧にしたまま、憲法9条に自衛隊を明記するべきではありません。海外の紛争に武力をもって介入しない、憲法9条の平和主義の根幹を覆すことは許されません、平和主義を断固として守ります。
緊急事態
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緊急事態に対しては、必要に応じて既存の法制度を見直し、万全な対応ができる体制を構築することとし、基本的人権を尊重した下で緊急事態への対応を行います。
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緊急事態が生じた場合にあっても、立法府の存在が確保され、国民主権が保障されるよう、国会議員の任期に関する規定のあり方を含め検討します。
憲法裁判所
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政治、行政に恣意的な憲法解釈をさせないために、憲法裁判所の設置検討など違憲審査機能の拡充を図ります。
改正手続き
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憲法の役割は、国家権力の暴走、多数決の横暴などから、国民の自由や、権利を守ることにあります。したがって、憲法の改正にあたっては、丁寧な議論を積み上げ、広範な合意のもとでの成立を目指すべきであり、その発議に衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成を必要とする考え方には合理性があります。
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憲法解釈を恣意的に歪めたり、改正の中身を問うこともなく、改正手続きの要件緩和を先行させることには、立憲主義の本旨に照らして反対です。
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国民投票法を改正します。国民投票運動等の公正な実施を図り、資金力の多寡等による不公正を防止するため、政党等によるスポットCMを禁止するとともに、運動資金の規制強化、インターネット運動の規制(運動主体の表示)、投票日当日の国民投票運動禁止等を行います。国民投票広報協議会による広報活動を充実強化し、憲法改正に関する国民の判断に資する情報提供・環境整備を推進します。また、国政選挙の選挙期間と国民投票の期日等が重ならないようにします。
女性天皇、女性宮家
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象徴天皇制のもと、歴史上例がある女性天皇の即位を法制上可能とします。これまで前例のない女系天皇については慎重に議論を進めます。また、女性皇族が皇族以外の男性と結婚される場合に、皇籍を離脱せず、女性宮家を創設できるよう、皇室典範を改正します。