参院予算委員会で26日、内外の諸情勢をテーマにした集中審議が行われ、国民民主党からは桜井充議員が質問に立った。桜井議員は(1)歯科の有用性(2)妊婦加算・不妊治療の負担軽減について(3)入管法改正により地域の人手不足は解消するのか(4)企業の内部留保(5)震災復興――などについて質問をした。
●歯科の有用性
桜井議員は、口腔ケアを行っている人と行っていない人の追跡調査を紹介し、口腔ケアを受けている人の方が、発熱や肺炎の発病率が大きく減少している結果が出ていることをパネルで説明。高齢者に対する口腔ケアをもっと増やすことで、医療費や介護費用の削減にもなるため、歯科単体で予算をつけるのではなく医科と歯科を一体に考えて予算を増額してほしいことを要望した。根本厚生労働大臣はこれに対し「しっかり取り組む」と答弁した。
●妊婦加算・不妊治療の負担軽減について
外来受診の際に妊婦が受診する場合に一般より負担が重くなっていることについてなぜこのような制度を作ったのかを問題視。安倍総理は、重要な指摘だと述べ、引き続き妊婦の負担軽減を行い安心して生み育てるよう取り組みたいと語った。桜井議員は不妊治療についても、一般的にお金を貯めて治療を受けるのは相当に大変なことであるため、健康保険に入れるなどの対策を講じて子どもを産みたい方が産みやすい社会をつくるように「妊産婦の方たちに優しい政策をとってほしい」と要望した。
●企業の内部留保
アベノミクス導入以降、大企業の内部留保が年々積みあがっていることをパネルで説明しながら、一方で大企業が下請企業に負担を強いて地方にお金がまわっていないことを指摘。積みあがった内部留保で中小企業に利益率を上げるようにするため大企業に言うべきだと指摘し、内部留保への課税をしてはどうかと提案した。これに対して麻生財務大臣は「明らかな二重課税だ。むずかしい」と答弁。桜井議員は都合の良い時だけ二重課税を持ってくると述べ「ガソリンもガソリン税と消費税がある。ガソリンが下がれば地域は潤うので、ぜひ二重課税はやめてほしい」と要請した。
●入管法改正により地域の人手不足は解消するのか
日本の労働人材の深刻な不足を解消するため外国人労働者を増やす入管法改正案について、本当に人材不足を解消するものなのかを疑問視。全国一律ではなく地域によっても業種によっても人手不足の程度が異なるため、施行前に自治体がどの業種に何人くらい足りないと申請すれば認めるようにしておくべきだと指摘。山下法務大臣は「地方における深刻な業種について、例えば分野別の運用方針は施行前に決めるものなので、そうしたことができないか貴重な意見をいただいたのでしっかり受け止めたい」と答弁した。