国民民主党は26日、児童虐待防止対策を抜本的に強化する法案(「児童虐待を防止し、児童の権利利益の擁護を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案」)を野党5会派共同(国民、立憲、共産、社保、社民)で衆院に提出した。国民民主党会派からは、岡本充功議員、山井和則議員、源馬謙太郎議員、日吉雄太議員が衆院事務総長への法案手交に参加した。
2017年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数は13万件を超えて、過去最多となっている。虐待によって子どもが亡くなる大変痛ましい事件が、目黒区と野田市で立て続けに起きた。
国民民主党は、このような悲劇を繰り返さないため、昨年3月の目黒区の事件を受けて昨年6月に児童福祉司の大幅増員、関係機関の連携強化等を盛り込んだ議員立法を国会に提出。今回提出した議員立法では、提出済みのものに、今年1月の野田市の事件を受けて、さらなる対策を盛り込んだ。
今回の議員立法には、新たに(1)しつけと称する虐待を防止するため、法律で体罰を禁止するとともに、親が教育等に必要な範囲で子どもを懲戒できるという民法の規定を早急に見直す(2)児童相談所が支援を行う家庭が転居した場合の対応を強化するため、転居する際に児童相談所が指導等の措置を解除できないようにする(3)中核市及び特別区について、児童相談所を必置とする(4)政府案よりも児童相談所の児童福祉司を増員(各児童相談所につき+1人)する――こと等を盛り込んだ。
筆頭提出者である岡本充功議員は、提出後の記者会見で昨年提出した議員立法(第196通常国会衆法41号)を与党が審議しなかったことについて「与党の不作為」と厳しく批判した上で、「児童虐待、特に悲惨な死を迎える子どもを何としても減らしたい、声なき声を上げようと思っている子どもたちにしっかりとメッセージが届くようにしたい」と議員立法に込めた想いを力強く語った。また、同議員は「政府案と並んで審議することを求めたい」と今後の方針を示した。