GPIF法等改正案を衆院に提出

 国民民主党をはじめ野党は10日、議員立法「年金積立金管理運用独立行政法人法等の一部を改正する法律案」(GPIF法等改正案)を衆院に提出した。政府提出の「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」の対案として審議される。野党は、GPIF法等改正案のほか、政府案への修正案もとりまとめ、審議に臨む。

 法案の柱は、(1)年金積立金管理運用行政法人(GPIF)等が管理・運用する年金積立金の資産における株式の構成割合の法定化、及び年金積立金の運用リスク情報の公表義務付け(2)産前産後・育児系における国民年金保険料・国民健康保険料の免除(3)年金生活者支援給付金の充実。

 法案提出後、提出者の岡本充功厚生労働部門長らが記者団の取材に応じた。岡本議員は、年金積立金の運用について「新型コロナウイルスの感染拡大で株価は乱高下している。年金積立金は長期にわたって運用されるが、いつかは年金給付にあてる資産であることを踏まえ、リスクの高い株式運用は慎重にすべき。従来は株式運用の割合が2割としていたことを参考に、今後10年をかけて調整していく」と述べた。

 また、被用者年金加入者が産休・育休中の保険料免除されているのと同様に、フリーランスを含め国民年金加入者についても保険料を免除すること、年金生活者支援給付金については、給付基準額を現行の月額5000円から社会保障と税の一体改革で打ち出していた月額6000円に引き上げることを説明した。

 政府案では被用者保険の短時間労働者への適用要件を2022年10月1日以降は100人超、2024年10月1日以降は50人規模まで適用されるが、それでは不十分だとし、野党修正案では2022年10月1日以降は50人超規模の事業所まで適用し、2024年10月1日以降は希望規模要件を撤廃する。修正案では、政府が新たに適用となる事業所に対する支援を行うことを規定する。

 岡本議員は、「老齢基礎年金に対してマクロ経済スライドを適用すべきでないとの考えから、政府案の公的年金制度及びこれに関連する検討条項のうち、マクロ経済スライドに係る検討事項を削除することにした」と説明した。

 修正案はほかに、国民年金加入期間の延長、国民年金基金・個人型DC(イデコ)の加入期間の見直し、児童扶養手当と障害年金の供給調整の見直しが盛り込まれる。

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PDF「【政府案への修正】年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案要綱(案)」【政府案への修正】年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案要綱(案)